わたしの勤める会社では、勤続10年経つと「リフレッシュ休暇」という連続５日間のお休みがもらえることになっている。実は途中１年間（アリゾナ留学で）休職していたりもするので微妙なのだが、99年の末にめでたく「あなたは来年リフレッシュ休暇を取得することが出来ます、ついては…」という書類が届いた（勤続10年記念休暇、といいつつ、実は11年目が終わる年からの１年の間にとれる、というちょっとずるいシステム）。わたしは少女時代から「プロ野球のキャンプを見学してみたい」という夢があった。なかなか実現することがないまま10数年、この機会を逃がしてなるものか、ということで迷わず「２月にお休みとります！」と上司に宣言した。

次は夫の説得。普段の言動から「言い出したら聞かない」のはわかっているだろうけど、さすがに１週間もひとりで（それも野球がらみの）旅行をする、などと言ったら反対するかも。夫は同じ会社ではあるが、入社年度が違うため休暇は合わない。そこで、

(1)夫にも一緒に１週間のお休みをとってもらって、どこかに旅行する

(2)わたしはひとりで留守にし、その間疑似独身生活を満喫してもらう

の究極の選択を迫った。迷わず(2)を選んだ夫、忙しくてお休みがとれないということもあるけど、あまりに即決だったのは…？（深く追及しないほうがいいかも）

問題は仕事。申請書類には「2/14-2/18」と書いて提出したものの、１月末に「１ヶ月くらいで仕上げて欲しい」旨の仕事が運悪く入ってしまった。おまけに2/15には社外来客対応の予定が。ということで、出発を2/16に延ばし、急な仕事の方は休日出勤や残業などでこなしてなんとか間に合わせることに。（野球がからむと仕事が加速するという経験あり…そういう人、多くないですか？）

さて。プロ野球キャンプに行くことは決まったが、１週間もどこへ行こう？

ロッテの鹿児島には当然行くとして、せっかくだから他にもう１ヶ所くらいは行きたい。目指すは沖縄か、宮崎（日向）か、それとも高知か。

• 混むところは嫌い。高知は松坂人気、日本一ダイエー人気で混雑するだろう
• 宮古島は飛行機の乗り換えなど不便らしい
• 日向もかなり交通が不便らしい
• 沖縄は行ったことがないし、暖かそうだなぁ
• 沖縄・名護のファイターズは、もともと試合を観戦する機会も多く、実はロッテの次に好きな球団である
• 沖縄ではセ・リーグの球団もたくさんキャンプを張っており、うまくすればたくさんの球団が観れるかも

…ということで行き先は沖縄・鹿児島に決定。

決定！はしたものの、この時点でわたしはかなり出遅れていた。仕事の都合で2/16から確実に出発できるとわかったのも２月に入ってしばらくしてからだし、飛行機の「早割きっぷ」などの購入期限はもうすでに過ぎていた。海外旅行では格安航空券にもなじみはあるが、国内の格安航空券なんて買い方が全然わからない。それでなくても出発前は仕事を詰め込んでいるので、チケットショップ（金券ショップ？）や旅行代理店に行く時間はないし…。試しにインターネットで調べて、国内格安航空券を扱っている旅行代理店などに連絡を取ってみるが、「今からでは手配できません」（つまり遅いってこと）だとか。しかたがないので、東京〜那覇、那覇〜鹿児島、鹿児島〜東京の３枚のチケットを、JALインターネットチケットレスシステムを使って正規の値段で購入してしまった。合計８万円なり。非常に痛い。
※しかし、便利は非常に便利である。i-modeでも手続きできるし、予約状況なども携帯電話から確認できるのだから…世の中便利になったものだと実感。

航空券と並行して宿探し。鹿児島の方は知人の紹介で２泊（温泉付きの旅館）予約できたものの、沖縄の宿には困った。なにせ、名護の地理はわからないし、ガイドブックを見ても名護の球場はどこにあるのかわからない、ので、どの宿がキャンプ見学に便利なのか全然わからない（おまけに名護は宿の絶対数が少ない）。いくつか名護の宿を当たってみるが、「修学旅行が入っていて満室」「日本ハムの選手が泊まっているので満室」(笑)など、なかなか空いている宿がない。とりあえず２泊めと３泊めの宿を（連泊できなかったので）１泊ずつ確保し、１泊めと４泊めは那覇市内で探すことにした。インターネットとi-modeを駆使し、なんとかビジネスホテルを予約…できたところで、出発まであと３日。ふー。

沖縄では（特に名護まで行くなら）レンタカーを借りたほうが便利、とのアドバイスを多数受けたが、数年前のもらい事故以来怖くて運転をしてないペーパードライバーであり、やはりひとりで知らないところを運転する度胸がなく、バスとタクシーで移動することにしたが、現地の土地勘は全然ない。でももう時間がない！まぁ行ってしまえばなんとかなるだろう、ということで（超楽観的）、なんとか１週間分の荷物をスーツケースに詰め込んで出発前夜を迎えた。実際、出発前にひどい風邪をひいてしまって、それがなかなか治らず、結局咳がなかなか止まらない状態のまま出発という羽目になってしまった。

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Hiroko Sukeda, piroko@sukeda.com